コレステロールに悪玉と善玉があることは、最近ではよく耳にすることではないでしょうか。コレステロール値の検査は健康診断でも必須項目になるくらい重要な検査項目です。それというのも、コレステロールは動脈硬化と深く関係しているからなのです。
ここでは、悪玉であるLDLコレステロールについて、それを下げるためにはどんなことをすれば良いのか、また、効果的な飲み物などを紹介します。
LDLコレステロールを下げるには運動が一番?

コレステロールとは脂肪の一種で、細胞膜やホルモンの原料になるなど人の体にとっては重要な働きをしています。肝臓で作られたコレステロールを各器官に運ぶ働きをしているのがLDLコレステロールです。ところが、細胞内に取り込まれなかった余分なコレステロールを血管内に放置してしまうため、動脈硬化を引き起こす原因を作ってしまいます。動脈硬化は進行していくと、血管内にさまざまな物質が溜まって狭くなり、血液が流れにくくなります。その結果、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすことになります。それゆえ悪玉と呼ばれているのです。一方、善玉は体内で余ったコレステロールを肝臓に回収する働きをします。悪玉とまったく反対の働きをするので善玉と言われるのです。
私たちの健康にとって悪影響のあるLDLコレステロールは、適度な運動と食生活の改善で減らすことができます。運動の中でもおすすめは有酸素運動です。なぜ有酸素運動がLDLコレステロールに効果的かというと大きくは3つあります。
一つ目として、有酸素運動は酸素で脂肪を燃焼させてエネルギーを生み出しているからです。長い時間運動すればするだけ多くの脂肪を燃焼することができます。体内の脂肪が減っていくと、善玉コレステロールが増えていきLDLコレステロールが減っていきます。また、脂肪が減れば肥満も解消できます。
二つ目は、有酸素運動は体内で酸素を大量に使うため、それを運ぶ血液の流れが良くなります。血流が良くなると、血管の壁に付着している物質を流してしまいます。このように、血液が流れやすい状態になることで血圧も安定してくるのです。
三つ目は、運動によるストレス解消効果です。激しい運動をしてしまうと疲労が蓄積してしまいすが、有酸素運動はゆっくり楽しむことが目的です。ストレスを溜め込むとLDLコレステロールが増えていきます。

有酸素運動は、ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリング、ヨガなどいろいろあますが、自分の生活スタイルにあったものを選びましょう。大切なことは半年以上、運動を継続することです。すぐ止めてしまってはLDLコレステロールが減っていきません。運動と合わせて食生活の改善も大切です。運動をすることはLDLコレステロールを減少させることにとても効果的ですが、継続的に実際に毎日運動をするのはとても難しいです。食生活を改善することの方が手軽に出来るかと思います。
食生活で気を付けるべき点は、アルコールの飲みすぎや揚げ物やフライなどの油の摂り過ぎに注意する事です。また、LDLコレステロールを減らす効果のある食品を積極的に摂るようにすると良いでしょう。代表的なものは、マグロやサンマ、サバなどの青魚に含まれるDHA・EPAです。
この栄養成分はLDLコレステロールを確実に減らすことができます。ただし、新鮮な刺身で食べなければ効果は半減します。さらに、食物繊維を多く含む野菜類やネバネバ成分の納豆やオクラ、山芋などもLDLコレステロールを減らす効果があります。
LDLコレステロールを下げる飲み物は緑茶や杜仲茶に豆乳?

毎日の生活の中で手軽に摂取できる飲み物の中にもLDLコレステロールを下げる効果があります。運動の後の水分補給や休憩時のお茶などで飲用すると良いと思います。
◆杜仲茶
杜仲茶の中に含まれるミネラル成分が血液中の脂肪を薄くする効果があります。また、血糖値や尿酸値の改善にも効果があります。
◆緑茶
お茶に含まれるカテキンには、食事によるコレステロールの吸収を抑える効果があります。
◆コーヒー
コーヒーに含まれるカフェインには脂肪を分解する効果があります。
◆ローズヒップティー
ローズヒップとはバラ科の植物がつける赤い実のことです。ティリロサイドというポリフェノールの一種が含まれており、脂肪を減らす効果があります。
◆紅茶
紅茶には、カテキンとテアフラビンというポリフェノールの一種が含まれており、脂肪を抑える効果があります。
◆オレンジジュース
オレンジのイノシトールという成分は、血液中のコレステロール値を正常にする作用があります。
◆赤ワイン
赤ワインに含まれるポリフェノールは善玉コレステロールを増やしてくれます。
◆豆乳
大豆タンパクにはLDLコレステロールを減らす効果があります。
◆青汁
青汁にはコレステロールを下げる働きのある食物繊維やビタミン類が豊富に含まれています。
まとめ

コレステロールは全て悪玉ではなく、重要な働きをする善玉もいるのです。ところが、炭水化物や油の摂り過ぎによって栄養過多になると悪玉が増えてきます。悪玉が増えすぎないためにも規則正しい生活習慣が大切になります。